人生やり直しロードマップ

人生を詰みそうな人にネタとか何か伝えるブログ

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美容師について

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 僕は今、二つの美容室を利用している。

  一つ目は大学一年生の頃から通う地元の美容室だ。観葉植物や木目調の店内のありがちなお店である。僕はそこにいるギャルのお姉さんにいつも切ってもらっている。初めはチャラい人は苦手だと思ったのだが、彼女はとても腕がたち、気が利くので気付ばもう四年間指名しつずけている。彼女は僕に余計な詮索もガサ入れもしてこない。僕が黙ってても、うたた寝していても適当に仕上げてくれる。長年通っているので当然かもしれないが、彼女が切ると癖っ毛が抑えられて美容室に行くスパンが長く済む。トークに関しても器用で僕がファッションを読んでいると、話を合わせることが出来る。カモフラ柄はもう廃れ気味だ、レザーも似合うかもしれない、とか。もてない僕への気遣いもバッチリで歳末に行くと私も予定が無いんですよ、と合わせてくれる。多分彼女が引退するか、遠くへ行くまで通い詰めるだろう。

 もう一つは東京にある小洒落た理髪店だ。先輩の紹介で行くことになった。彼女は予約がなかなか取れないので繋ぎにこの店を使っている。ダークトーンの店内に黒のスーツ、黒のシャツを決めたナイスガイたちがもてなしてくれる。完全に値段も成人男性向けなので僕はいつもカットもシャンプーしか頼まない。素性を詮索されるのが嫌で僕は彼ら自身の話を聞くことにしている。例えばカットに使うハサミ。あれは彼ら一人一人のマイ鋏だ。五万から上は数十万する代物だ。慣れないうちは消耗品と安いもので済ませたり、一生モノだと言って銘品を愛する人もいるそうだ。同じくよく聞くのは、美容師になった理由。これは大体同じ答えが返ってくる。父が理髪店を経営している人が多いのだ。彼らにとって働くとは、父のように髪を切ることを生業とすることと同義だと語っていた。
 美容師になるためには専門学校に通い、国家試験に合格する必要がある。僕と数歳しか変わらないのに颯爽とハサミを走らせる姿は完全に職人だと思った。いつの日か、彼らの子供たちもまた将来は父のような美容師になりたいと目を輝かせるのだろう。